久しぶりに絵を描いていたら
なんかおもしろい絵になったので
「おはなし」を考えてみました(*^^*)
みどりの山がつらなった谷あいのどこかに、
晴れを呼ぶ”魔法のあやとり”をする
不思議なカエルの女の子がいました。
その子の名前はニジナぴょん。
高く掲げた両手には虹色の毛糸、胸にはふたつのハート、
ふんわりプリーツスカートをひらひらさせながら、
にこにこ笑っていました。
ニジナは、空がずっと曇っていたある日、
「太陽さん、そろそろ顔を見せて〜」と願いながら、
虹の毛糸であやとりを始めました。
「右の指でひっかけて、左のツノでくるん…」
その動きは、風と踊るように優雅で、まるで魔法の舞い。
すると、空の上でくまのぬいぐるみ・ネムリン坊主が目を覚ましました。
ネムリンは、月の光を集める役目をしているお月さまの守り手。
だけど最近は、眠りすぎてちょっとさぼり気味だったのです。
「ニジナちゃんがあやとりしてる…」
ネムリンはまあるい月のゆりかごから、ぽわんと空に浮かび、
やさしいまなざしで見つめました。
すると空の端っこに、すこしずつ、すこしずつ――
太陽がのぞいてきました。
「やったぁ!」
ニジナのあやとりが、くるりんと虹の形になったとき、
空には本物の虹がかかって、大地にやさしい光が降りそそいだのです。
それからというもの、
村の人たちは、晴れの日がほしいとき、
ニジナのところへ来てこう言うのです。
「ねぇ、またにじのあやとり、見せてくれる?」
そしてネムリンは、空のどこかでまた…
月のゆりかごのなか、のんびり夢を見ているのでした。