あの世とこの世を結ぶ場所に架かる旧順礼橋(呉服橋)の歴史/池田市

大阪府池田市兵庫県川西市を結ぶ
猪名川に架かっていて【呉服橋】【中橋】【絹延橋】と3つあります。

今回は【呉服橋(旧順礼橋)】についてご紹介いたします!

ある時、ふと気付いたことなんですが、、、(^-^)
猪名川の西側にあるのが川西市。
川の西側にあるから川西市と覚えたら方角がわかりやすいです♪

西国二十三番札所「勝尾寺」から西国二十四番札所「中山寺」への
巡礼道へ行く途中にある橋です。

明治11年までは巡礼橋と呼ばれていました。

猪名川の川原はあの世とこの世を結ぶ場所

川原は宗教的な場所とされており、
池田の寺院は猪名川の川原で施餓鬼を行いました。

川施餓鬼は、水死者や出産時の死者の霊を鎮めるために
川中に
塔婆や経木などをたてる儀礼。

猪名川の川原は「この世とあの世を結ぶ場所」と認識されていました。
巡礼橋にはあの世への入り口としての性質が得に色濃くありました。

1800年代の橋の建築では勧進が行われ
勝尾寺徳本上人が川原で回向を行い
お正月に池田の人々は神を迎えたり、盆には精霊を送る場所となりました。
橋のたもとは呉服神社の祭礼のお旅所ともなっていました。

1868年に川原に庚申像が漂着し、巡礼橋のたもとに社が建てられました。

↓こちら昭和初期の地図です。

歴史

※西暦は文献によって少し違います

1579年

荒木村重の従弟村正が、池田城を織田信長に攻められ、
伊丹城に逃げ去る際に
池田城とともに巡礼橋を焼き落としました
それ以後は架橋はされず、
元禄時代の挿絵によると渡し船で渡っていました


1746年
仮橋の巡礼橋があったようだが
人から頼まれるたびに橋の架け外しをするもののようであり
地元の人々はあまり利用できなかったのではないか

1813年
池田西の口の荒木茂兵衛が新しい橋を架ける発起人となる
世話人頭は箕屋伊兵衛ら5人、西ノ口町一統が世話にあたる

1815年
順礼橋完成

1822年
3年かけて造った橋が洪水があったわけでもなく破損し、
寄進を募って改築する

1829年3月
新しい巡礼橋を架け渡り初めを行いました

橋の破損が進んでくると、町内から寄進を受け
橋板1枚ごとに寄進者それぞれの先祖供養を墨書して修理をしました

1845年
巡礼橋修理執行後の橋の維持費捻出のため
借家を建築してこうれを相続講(民間の互助的金融組織)とし、
池田の村方の有志の賛同を得て
「つづくり普請(建物の破損部分を修繕すること)」をまかなった

1866年
橋がいよいよひどく老朽化し危険となる。
猪名川洪水によって流失する
その後、橋架けを行いましたが度々川止めとなりました

1878年 明治11年
「巡礼橋」を呉服の里にちなんで「呉服橋」と改め、
相撲寄進などによって
流失寸前の橋を修復する

1882年 明治15年
地方税1460円を投じて架け替えられる
この時の竣工式渡り初めは盛大に行われた

1896年 明治28年
大洪水が起こる
被害は甚大で、「流失して影を止めず」と記される


1919年 大正8年
一部鉄橋の「呉服橋」が竣工し、渡り初めを行った

1924年 大正13年
洪水のため橋の川西側一部が流失したので補修工事を行う

1932年 昭和7年9月18日
架け替え工事は竣工
ゲルバー型で当時としてはとてもモダンな橋と言われた

大阪府と兵庫県が相談し、大阪府土木部が行いました
竣工業者 大林組
橋の長さ 115.60m
橋の幅  7.23m
竣工費  51.293円

9月18日の渡り初め式は、池田側と川西側から「三世代夫婦」を先頭に
池田町青年団音楽隊、池田小学校と川西小学校の高学年児童が参加して
華やかに行われました。

「三世代夫婦による渡り初め」とは…
一家に親・子・孫世代の夫婦が顕在することは大変珍しく、
おめでたいことから、これにあや
かり
「世代を超えて永く受け継がれる橋に…」
という願いが込めら、令和でも行われています。

1980年 昭和55年
交通量の激増により新橋架け替えのために用地買収に着手

1996年 平成8年
現在の橋になる

現在の呉服橋

全長は 117.2 メートル
幅は 18.8 メートル
行政区分は川西市。
管理者は国土交通省近畿地方整備局。


向こうに見えているのは中橋と五月山

最後までお読みいただきましてありがとうございました。
呉服橋がかかる池田側は、池田の玄関口として栄えた場所です。
他にも記事を書いているのでご覧ください( ・◡・ )♫•*¨*•.¸¸♪

池田には大正時代にも百貨店があった!

旧呉服座は明治から昭和の大衆娯楽場

南新町に「みこの小路」と呼ばれる路地があった

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