創作落語のようなものを書いてみた♪『魚の種セット』

創作落語のようなものを書いてみた (o゚▽゚)o 

『魚の種セット』

スーパーのレジ横に
「家で飼育できる魚の種セット」
というのが90円で売っていたので買ってきた♪

お花の種のような袋に
いろんな色の小さな種がいっぱい入っていて
大きめの水槽に水をはって種を入れたら
2~3日でいろんな魚が生まれます
というもの

なんと楽しみではないの  (o゚▽゚)o       

早速、お風呂ぐらいの大きな水槽に水をはって
種をパラパラと入れてみた

種はきれいな色や
しましま模様や
変わった形のがあった

水の中に沈む種、、、
浮かぶ種、、、

二日目に小さい金魚が水槽の中に泳いでた✨
芽吹き第1号は赤い金魚だった
なんか、想定内だけどいい感じ♪

三日目に少し大きめの魚
四日目には細長い魚
いったいあと何匹魚が芽吹くのだろう?

少し不安になってきた

ちょっと不気味な深海魚みたいな魚も芽吹いてきて
これって、、、、やばいやつかな
少し後悔してきた、、、ぞくぞくする、、、



一週間ぐらいして
けっこう大きな丸い水鳥が芽吹いた

魚じゃないの?って思ったけど、、

水槽の中で優雅に泳いだり飛んだりしていて
魚が横を通るとばさばさっと羽ばたいて威嚇してる

だんだん態度がでかくなってきた鳥は
体も大きくなってきて

最初に芽吹いた小さな金魚たちは
怖がってぶるぶる震えてる

そのうち気付いたら
小さい魚達がいなくなってる、、

きっと鳥が食べたんだ、、、

さらに日が経つと

また新たに違う色の水鳥が芽吹いて
最初に芽吹いた鳥と
血みどろの決闘をするようになってきた

深夜にギャーギャー鳴きながら・・・

私はだんだん寝不足になってきて
目の下にクマができてきた

クマがだんだん大きくなって
いよいよ本当の熊になってしまった。

目の下から熊が生まれて
ぼとっと落ちたら
一目散に水槽に向かってかけだし

前足を使って鳥を抱え込み頭から食べてしまった
そして、もう一羽の鳥も食べてしまった

平和になった水槽の中には
もうそんなに魚も種は残ってなかったけど

また鳥が生まれたら大変なので網で種をすくって
捨ててしまって
やっとホッとすることができた

もう、何も産まれないよね、、、

この長い物語を記録しておこうと
私はノートに記していく
まる一日、書いていくと
指にペンだこができてしまった

次の日も次の日も記録を書き続けるうちに
ペンだこはいよいよ本当のタコになって
指から生まれてしまった

目の下から生まれたクマと
指から生まれたタコは毎日、相撲をとってる

やがてタコはクマに勝利すると
クマは私の目の下に戻ってきて
だんだん薄く消えていった

残すは巨大なタコ
このタコをなんとか捕まえなければ
私の平和はやってこない

「魚の種セット」を買ってから
気の休まる時はなく

私の部屋には巨大なタコがいる、、

このタコを捕まえて
バラバラに切り刻んで
タコヤキにして
タケノコの皮に乗せて売ろう

そう思いついたから
タコに「たけのこ掘りに行きませんか?」と誘うと

足に”魚の目”ができたから歩けないと言われ
よく見ると、たくさんの魚の目がこちらを見てる

これはきっと魚達の怨念だ
そんなことを考えていると、、
タコの足にできた魚の目から鱗がボトボトと落ちてきた

そうか、発想の転換だ

もともとペンだこだったタコだ
ペンだこはお湯につけてふやかせば治るので
タコにお風呂をすすめてみた

熱めのお風呂につかるとタコは
だんだん赤くなってゆでだこになった

魚の種を入れた水槽は
ある程度、種をすくっておいたし
そしてだんだん水槽のことを忘れてしまっていた

しばらくして水槽を見たら、
残った水がだいぶ濁って水がくさりかけていた

よく見ると、魚の影が見えて
おたまじゃくしの大きな感じの魚がうじゃうじゃわいていて、、

中にはおそろしく大きくギラギラした魚も泳いでる、、

またしても大変な事態になっていた

あのとき、水も全部捨てておけばよかった

大きな魚の影がしゅーーーっと泳いできて
ジロリと水槽越しにこっちを見る

どうすればこの大きな魚を
なかったことにできるのか
途方に暮れる。

そうだ!
スーパーに苦情を入れようと思い立ち
レシートを取り出した。

そこには
小さな文字でこう書いてあった。

「魚の種セットについては一切責任をとりません。
なお、育った魚はすべて当社が買い取ります」

……そう。

魚の種セットは――
魚を育てて売ることのできる、副業だった
゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)’・*:.。. .。.:*・。

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